ソムリエの資格も持つ久門保子先生(弁理士)が“華麗なるワインの世界へご案内いたします。
「本当にソムリエなのかあやしい?」と回りから疑惑の目で見られつつ、そして勉強不足なのも自認しつつ・・・密かにワインを愛して止まない、そんな私です。
でも、少しでもワインの楽しさを分かち合える「ワイン仲間」ができれば・・・との祈りをこめて、ここにワインのコラムを3回ほど書かせて頂くことにします。どうぞ宜しくお願い致します。
■久門 保子 先生
久門特許事務所商標担当弁理士
日本ソムリエ協会ソムリエ
第1回 フランスワインのA・B・C
世界の様々な大地の、その土壌・気候にあったsweetな果実「ぶどう」を慈しみながら育て、そして大事に摘み取って、その土地や民族の独特の製法で醸造されていくワイン。
その年の気温や雨量など、天候の影響や環境の変化を直に受けて育ってゆく「ぶどう」ゆえに、ワインもその年によって出来・不出来があり、微妙な味の変化を見せるものです。
ですから、ワインを飲んでいると、少しだけその当時のことに思いを馳せながら味わったりすることもありますし、そんな話題から余り知らなかった人と話しが盛り上がって友達の和が広がることさえあります。
そんな風に、遠い異国の地やぶどうが育った時代にワープしながら味わえるワイン。ワインってとてもロマンティックで優雅な飲み物だとは思いませんか。
第1回目は、そんなワインの中でも、最も伝統のあるフランスワインについて書かせて頂きたいと思います。
フランスでは、ぶどうは北部の一部の地方を除いて全土で生産されます。ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュなどは、世界的にも著名であり、優れた品質のワインなので、皆様もご存じのことと思います。
【ボルドーワイン】
フランス南西部、大西洋に面したボルドー地方は、ガロンヌ河、ドルドーニュ河、ジロンド河の3つの河の流域にぶどう畑が楕円状に広がっています。
ボルドーワインは“カベルネソービニヨン”など数種のぶどうからできたワインを混醸して、その比率を調整することによって色々なスタイルのワインがつくられるのが特徴です。
オー・メドック地区で生産される「シャトー・マルゴー」や「シャトーラトゥール」、ラベルが素敵で毎年話題を呼ぶ「シャトームートンロートシルト」などはとても有名なのでご存知かと思います。
また、ドルドーニュ川の右岸のサンテミリオン地区でのメルロー種の葡萄から生産されるまろやかなワイン、ポムロール地区の「シャトーペトリュス」「シャトール・パン」・・・など書いても・書いても・書ききれない素晴らしいワインの生産地です。

クレスマン サンテミリオン・グランド・レゼルブ
サンテミリオン特有のメルロ(70%)のまろやかな個性が楽しめます。
【ブルゴーニュワイン】
ブルゴーニュ地方のぶどう畑はボルドー地区と異なり、オーセールからマコンを経てリヨンまで南北約250?にわたって南北に細長く広がっています。また、海洋性のボルドーと異なり気候は大陸性で冷涼であり、土壌は複雑に入り組み、ぶどう畑の傾斜も変化に満ちています。ワインは主に「ピノノワール」などの単一品種からつくられるのが特徴です。
また、ローヌのボジョレー生産地区で作られる「ボジョレーヌーボー」は秋になると日本でも(現地以上に?)盛り上がりをみせる程有名ですが、シャブリ地区の「シャブリ」「イランスィ」、コート・ド・ニュイ地区の「ジュヴレ・シャンベルタン」「ヴォーヌ・ロマネ」、コート・デュ・ボーヌ地区の「ピュリニ・モンラッシェ」、マコネ地区の「プュイイ・フュイッセ」などのなど素晴らしいワインがあります。
ピノ・ノワール種の赤ワインも秀逸で素晴らしいですが、白ワインもシャルドネ種のシャブリなどとても美味しくて・・・大好きな生産地です。

【左】アバイエ・デ・フォントネ レ・トゥルイット マコン・ヴィラージュ
ブルゴーニュ南部マコン地区のフォントネ修道院ゆかりのスパイシーな柑橘系風味の新鮮なワインです。
【中央】デパニュー マランジュ・ルージュ
ブルゴーニュの有名なコートドール地区の最南端、マランジュは最も新しく注目のワイン生産地です。近代的な製法で作られたピノノワールの繊細でエレガントな味わいが特徴的です。
【右】よきをとり あしきをすてて外國に おとらぬくにとなすよしもがな
西欧文化を積極的に採り入れ、ワインをお好みになられた明治天皇。そんな明治天皇のためにブルゴーニュの醸造元各社から献納されたワインが明示神宮に保管されています。その中の一つの樽「ロマネコンティ」です。
シャンパーニュのぶどう栽培地域は、フランスで最も北で、パリの北東に位置します。スパークリングワインの代名詞として著名なこのシャンパーニュ地方では、『指定地域の指定3品種のブドウを使用すること!
1haの畑から収穫できるブドウは1.3トンまでで150kgのブドウから100リットルまで生産可能』等という厳しい法律に基づいてつくられたもの以外はシャンパーニュと呼ぶことが禁じられており、極めて厳しい統制により品質が確保されています。
モエ・エ・シャンドンの「ドン・ペリニオン」やポメリーの「ルイズ・ポメリー」、ヴーヴクリコの「ラ・グランド・ダーム」などはご有名なので存知かと思いますが、これらは大手資本によるグループ化の波を受け、「モエ・ヘネシー ルイ・ヴィトン<LVMH>に属しています。

シャンパーニュ・ピペ・エドシック
石灰質が豊富で白亜の土壌のランスの街で生産されたシャンペンで、カンヌ映画祭で提供される事でも知られています。
【ロワールワイン】
パリ西部ヌヴェールから北へオルレアンに至り、大西洋に注ぐ全長約1000kmのフランス最長の川、ロワール川の本流と支流一帯が“ヴァル・ド・ロワール”地方です。ワインの生産地は大西洋側から、ナント、アンジュ・ソミュール、トゥーレーヌ、中央フランスの大きく4つの地区に分けられます。ワインはフルーティで早飲みタイプが多く、白の甘口やロゼが多いのが特徴ですが、辛口・甘口の白ワイン、赤ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインと多種多様のものが楽しめます。
辛口白の「サヴニエール」、「ヴヴレ」、辛口ロゼの「カベルネ・ドゥ・ソミュール」などの他、甘口白ワインも色々楽しめます。
【アルザスワイン】
アルザス地方とは、フランスの北東部、東はライン川を挟んでドイツと国境を接し、西はヴォージュ山脈に遮られた地域です。山脈のおかげで雨が少く日照量に恵まれているので、アルコール度の高いしっかりとしたワインが生産されます。ワインは主に単一品種からつくられ、ワインのラベルにぶどうの品種名が表示されることが特徴的です。ボトルは緑色で細長く背が高く優美な「フリュート」が使用されています。
リースリングやゲヴュルツトラミネール種のワインが美味しいと思います。
【ローヌワイン】
フランス南東部、リヨンの南のヴィエンヌからアヴィニヨンまで南北約200?に渡るローヌ川両岸にぶどう畑が広がるコート・デユ・ローヌ地方。その北部と南部では、気候、土壌、ぶどう品種、そして生産されるワインも大きく異なって多様なワインが産出されることが特徴的です。
シラー種を主体とする赤ワイン「エルミタージュ」、13種のぶどうの栽培が許されている「シャトー・ヌフ・デュ・パープ」、ロゼの「タヴェル」など色々なワインが楽しめます。
【プロヴァンスワイン】
アヴィニヨンの南西からイタリアとの国境に至るコート・ダジュール一帯に広がる地域をプロヴァンス地方といいます。この地方で生産量が最も多いのはロゼワインで、約70%を占めます。
ロゼワイン「バンドール」は、ローヌ地方のタヴェルと同じく辛口ロゼとして有名です。 ブイヤベースに良く合う「バンドール」も美味しいワインで、赤・ロゼ・白と揃っています。